コーヒーの味を構成するものって、大きく言えば「苦味」と「酸味」だと思っています。(次いで、「コク」や「すっきり」といった表現もありますが、ざっくりと言えば苦味と酸味が味のメインの飲みもののように思っています。)

コーヒーベルトとは?

コーヒー豆は主に赤道付近の熱帯地方で栽培・収穫されています。地球一周ぐるっと取り囲むように位置している赤道ですが、世界各地でコーヒーが生産されていて、主に次の3つに分類することができます。

①中南米系

まず中南米系のコーヒーを紹介したいと思います。中南米の生産国としては、世界のコーヒー豆ブラジルやコロンビアがボリュームが多く、他にはメキシコ、ペルー、グアテマラ、コスタリカなどでも生産がされています。国によって味の傾向は異なりますが、一言で言えば「バランス型」のコーヒーが楽しめる地域になります。先ほどコーヒーは大きく、苦味と酸味の飲み物だと言いましたが、両者がうまく引き出されていて、クセの少ない味わいが感じられるコーヒーだと思います。ブレンドの基本構成として使用されることの多いブラジルやコロンビアや、「コーヒーの王様」なんて言われることのあるカリブ海にあるジャマイカなど、各国どこのコーヒーでも飲みやすいコーヒーとなります。また別の機会で紹介したいと思いますので簡単にですが、印象的なエピソードを紹介したいと思います。コーヒーには国ごとに収穫されるコーヒー豆にランクがつけられています。国ごとにその決め方は異なり、例えば、悪い豆の割合を量るものや、豆の大きさに寄るものなどがあります。ブラジルの場合は欠点数という基準を採用しています。一定数の豆の中に悪い豆が少なければ良い豆という計測方法なのですが、一番良い豆の名称が「No.2」という区分になります。なぜ「No.2」?なのかというと自然に収穫されるもので、完璧な生産物はない、という考え方から「No.1」はないとのことです、おもしろいなと思ったエピソードでした。

②アジア系

次にアジア系のコーヒーを紹介したいと思います。アジア系だと、ベトナム、インドネシアの生産ボリュームが多い地域になります。先ほど紹介した中南米系は生産国が多いですが、ベトナム、インドネシアは生産数量が多い国で、缶コーヒーからレギュラーコーヒー用のブレンド原料としても広く飲まれている産地になります。アジア系の味の傾向は「苦味系」のコーヒーだといえると思います。コーヒー豆には「品種」というものがあり、大きく分けると「アラビカ種」と「カネフォラ種(ロブスタ種)」の2つに分類されますが、アジアで生産される品種はカネフォラ種が多く、この品種は酸味が少なく、苦味の主張が強い特徴があります。苦味のあるコーヒーが好きで酸味が苦手だなという方はこちらの産地を選ばれてみてはいかがでしょうか。インドネシアのマンデリンは特徴の苦味を中心に香りも良くの見応えのあるコーヒーでおすすめです。

③アフリカ系

最後にアフリカ系のコーヒーを紹介したいと思います。アフリカ系のコーヒーを生産する国としては、タンザニア、エチオピア、ケニアが有名です。この地域の特徴は「酸味系」だといえると思います。酸味というと「酸っぱい」をイメージされやすいと思いますが、コーヒーの酸味はフルーティ(果実感)をイメージされると良いと思います。飲んだ後に鼻からフワッと抜ける風味がなんとも言えない良さがあり、アフリカ系の大きな特徴と言えます。また、こちらは別でのご紹介になると思いますが、コーヒーを飲むまでには「焙煎」という工程があり、これはコーヒーをどれくらいの苦味と酸味の割合で飲むかを決める工程になります(短く焙煎すると浅煎りという酸味の強いコーヒーに、焙煎を長くすると深煎りという苦味の強いコーヒーになります)。アフリカ系は浅煎り〜中煎りくらいの度合いで飲まれることが多く、これは産地の特徴を活かした飲み方からだと思います。最近のコーヒーは地域名ではなく、国名で販売されることが多くなっていますが、タンザニア付近にある山の名前である「キリマンジャロ」は耳にされたこともあるのではないでしょうか。コーヒーの概念が少し変わるかもしれないフルーティなコーヒーをぜひお試ししてみてください。